【不動産業界の未来②】売買と賃貸の比較提案が行われない理由
今回は、前回お話しした売買と賃貸の同時提案はあまりされないということの理由についてご説明致します。
まず結論からお話しさせていただきますと、スキルセットが大きく違うということなんですね。同じ飲食店の中でもラーメン屋さんとカレー屋さん。このぐらい賃貸と売買のスキルセットは違うというのが現状です。
我々は仲介業という領域になります。
それに対して、「売主」と「貸主」っていう業種があるんですね。
主業(このような言葉は存在しませんが、分かりやすく名前をつけさせていただきました)の中に売主があって貸主があります。
今回議論に挙げているのはこの仲介業のお話になります。
仲介業をご説明していきますと、売買と賃貸で違います。
売買の中でも実需(居住用)と投資で大きく分かれておりまして、これもスキルセットが全く違います。
実需の中ですと、マンションと戸建てを扱っています。
投資の中ではビル、ホテル、区分マンション、ワンルームマンションですね。
あとは一棟アパートです。一棟アパートは売主であるケースも多いです。
これが売買です。
賃貸は居住用と事業用で別れておりまして、
事業用の場合ですと、オフィスの仲介、店舗の仲介がございますが、こちらもスキルセットが全く違います。
オフィスだとサンフロンティアっていう大手があったりとか、店舗の場合だとテンポイノベーションといった大手さんがいらっしゃいます。
今回は、賃貸居住用と売買の実需を比較してできる人がなかなかいないというお話な訳です。
先ほど冒頭で申し上げた通り、賃貸をやっていた人がいきなり売買をするというのは、なかなか難しいですね。知識がまったく違います。
知識としてまず、賃貸の場合は審査で、売買の場合は、要はローンだったりファイナンスの知識が必要になってくるんです。
スキルセットが全く違うが故に、両方やるという会社さんは、あまり見られません。
ここからがポイントなのですが、不動産業界は非常に属人的なので、
例えば「賃貸で売り上げが200万円毎月あります」という方が、売買に異動してしまった場合、会社やその課の売上が下がってしまうために、あんまり異動させたりしないんです。
「人」に売り上げ紐付いているという風に考えていただければと思います。
なので、異動すると売り上げが大きく変わってしまうために異動しないことが多かったりします。
これは転職の時にも言えることになります。
「○○の会社で△△円くらい売っていました」というものをベースに転職をしますので、そうすると、賃貸から売買の転職というケースは、なかなかいないんですね。
基本的に大手さんでも部署が縦割りのケースが多いです。
そのため、顧客情報が共有されることがないので、「このお客様に対して賃貸だと誰々が提案して売買だと誰々が提案して」ということが起きにくいというのが現状でございます。
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