【不動産業界の未来①】売買と賃貸の比較提案が行われない?!
東京不動産大学の稲垣ヨシクニです。
今回は、不動産業界が今後どうあるべきかというお話になります。
まず、こういう提案をあまり聞かないなというものです。
例えばお客様から10年くらい住むとして最適な物件を提案してください。
こういうお話があった場合、賃貸をやっている会社であれば、賃貸。売買をやっている会社であれば、分譲マンションなどの中古をご紹介すると思うのですが、これを比較してご提案するという話をあまり聞かないなっていうふうに思ったので、作らせていただきました。
10年の居住を前提として購入された場合、
5000万の物件を買われた場合と、賃貸18万の物件に住まわれた場合。
これで比較していきましょうという話があった場合、ユーザーさんは非常にわかりやすいんじゃないかなと思うんですね。
まず、10年住んで、4000万で売却をされましたというケースを想定しています。これはもちろん時代によって売値が変わってきますので、あくまで全部想定の話になります。
売却の差額は、1000万円です。他、管理修繕積立金が240万円かかっており、金利が月2万ずつで10年間とすると、240万円かかっています。
キャッシュフロー上、合計1440万円という額が支出になります。
それに対して賃貸18万円の10年間なので、2160万円になります。
この場合ですと、購入の場合とのキャッシュフローの差額が720万円になります。
こういったものを前提に挙げると、ユーザーさんとしては「じゃあ買った方がいいのかな」「賃貸がいいのかな」「こういう選択ができるんだ」という風に考えることができるかと思います。
例えば、他の例ですと、購入を希望されている方に対して、いきなり買うのは怖いということがあれば、分譲賃貸に2年間住んでいただいて、そこが住環境だったりとか非常に気に入りましたとなった場合、購入すればいいんじゃないかという提案もできると思います。
しかし、こういった話はあまり聞きませんよね。
本来、状況によっては購入と賃貸を比較して提案するべきだと思います。
何と何を比較するのかっていうところなのですが、賃貸なのか購入なのか持ち家なのか。また、新築なのか中古なのかというところですね。
その他に、最近ではこの傾向が非常に強いと思うのですが、リノベーションがされている物件なのか、自分で中古物件を購入してご自身でリノベーションをするのか。
こういう比較をするべきなのかなと思います。
現在、購入か賃貸という点は、ユーザーさんが自分で決めてから物件を探し始めているというのが現状だと思います。
それは、提案してくれる不動産があまりないからではないかという風に考えられます。
では、なぜあまり購入と賃貸を同時に提案することがないのかというところを、次回の記事で紐解いていこうかと思います。
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